大嘘予告

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 ある運命が交わる話をしよう。

 場所は三咲町、遠野邸。
 琥珀の部屋

「雪の中の温泉か、いいな」
 この屋敷唯一のテレビを見ながら遠野志貴は呟いた。
「今は夏だからな・・・・・・」
「あは〜志貴さん、お任せください」
 遠野家の当主、志貴の妹の秋葉に仕える使用人の琥珀は志貴の呟きに答えた。
「琥珀さん」
「心辺りが一つありますよ」
「まさか海外じゃ・・・・・・ないよね?」
「いえいえ、国内ですよ」
「名前は確か・・・・・・」

「龍神村です」



 場所は変わりアメリカ、マサチューセッツ州アーカム。
 ミスカトニック大学。

「大十字九郎君、魔導書を得た後の君の活躍は聞いているよ」
 大学を卒業し探偵業を営んでいた九郎はある日、恩師であるヘンリー・アーミティッジによって大学へと呼び出されていた。
「とっくに卒業した俺に何の用事ですか?」
「うむ、秘密図書館の魔道書を一冊取り返して欲しい」
「魔道書を・・・ってあそこから盗まれたんですか!?」
「正確に言えば貸し出されたまま返却されていないのだが・・・・・・」
 アーミティッジは席を立つと棚にある名簿を取り出した。
「卒業生の一人なんだが、借りたまま卒業してしまってね」
「それで俺に回収にいけと。でも何で俺なんです? 優秀なのはほかにもいるでしょう?」
「優秀な卒業生でかつ自由に動けるものは少ない。そこで探偵の君に依頼をする事になったわけだ」
「相応の報酬を払おう。無論かかる経費はすべてこちらもちだ」
「で、場所はどこなんです」
 あきらめたのか、それとも報酬に釣られたのかは分からないが九郎は依頼を受けた。

「日本の龍神村と呼ばれる場所だ」

 そして舞台となる龍神村。
 そこは万年雪に覆われ、龍神伝説を伝える田舎の村。

「たいへんよ彼方ちゃん」
 村唯一の温泉旅館、龍神天守閣の女将佐伯つぐみは今日も微妙なモーニングコールで起こされたアルバイトの出雲彼方、彼の部屋に入るなり開口一番そう告げた。
「何?」
「遠野財閥の当主様がここに来るのよ」
「更に外国からのお客様も」
「な、なんだってーー!?」
 万年雪に覆われているとはいえ、地方の田舎であるこの村へそのような客が来る事自体彼方にとっては驚く事だった。

「大変だな彼方さん」
 彼方がいつものように水汲みに向かっていると、突然背後から声をかけられた。
「芽依子か」
「つぐみさんから聞いたよ」
「ところで前から気になっていたんだが」
「ん?」
「おまえがいつも持っているその本って何なんだ?」
「・・・・・・彼方さんには理解できないような難しい本だ」
 この後、いつものように彼方は芽依子にさんざんにおちょくられ、水汲みのために龍神の滝へと向かっていったのだった。


 本来は交わるはずのない三つの物語。
 何かに導かれるかのように龍神村へと集まる異能者達。
 死を見る魔眼をもつ退魔の血を引くもの。
 最強の魔道書の主となり世界を変えた魔術師。

 彼らが雪に閉ざされ悲しみに覆われた村で出会うとき、一体何が起こるのであろうか。


 斬魔大聖デモンベイン・月姫・SNOWクロスオーバーストーリー
 公開時期――未定

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