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はぴねす『準・明日』

はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 17:55:52 ID:wCU07zhe0
『また明日な』
確かにそう言って別れた
私はベッドに寝転んでその言葉を反芻する
「信じていいんだよね……」
頬と唇に残る感触…
わざわざ言葉に出す
(信じるしか出来ないよね)
私はゆっくり目を閉じて明日を迎える


「あー参ったなぁ……」
体温計に目を向ける。そこには38.4℃と表示されていた
「当たり前だよなぁ……そりゃああんなことすればうつっても仕方ないか
 昨日も大変だったし……疲労は身体に毒だなぁ……」
「兄さん、私とお母さんは学校に行きますから、帰ってくるまで安静にしてて下さいね」
「ごめんね雄真くん、ほんとはずっと看病していてあげたいんだけど……」
「気にしなくていいよかーさん。そんなに大した事ないし」
「でも……」
「大丈夫だって」
「そう……でも、なにか合ったらすぐに連絡してね」
「わかった。そうするよ」
かーさんとすももはぎりぎりまで俺を心配しながら出て行く

「う〜〜ん、どうしたものか……」
気になるのは昨日の事
「自分で明日とか行っておいてこのざまかよ」
本来ならば準の思いに答えてやらねばならないというのに
「考える事も億劫なんだよな」
頭痛ががんがんする。足取りもおぼつかない
「あ〜〜もう」
どうにも出来ず俺はベッドの上に倒れこんだ
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 18:20:24 ID:wCU07zhe0
「おはよう」
教室に入ってすぐ確認する
「あれ?雄真はまだ来てないの?」
「小日向くん?まだ見てないわ」
「雄真?私も見てないわね」
時計を見る。すでにいい時間だった
「どうしたのかしら雄真……」
いくらいつも遅いとは行っても、もう来てなければおかしい時間だ
チャイムが鳴る

(早く来てよ……)
答えなどどうでもいい。いまここに雄真がいないという事実だけが怖い
先生が教室に入って出欠を確認する
私はすかさず尋ねる
「先生、雄真はどうしたんですか?」
「小日向か?どうやら風邪らしい。さきほど親御さんから聞いたぞ」
「―――っ!?」
(私の風邪がうつったんだ!!)
たださえ看病疲れしている時に、昨日もあんなに振り回して
いても立ってもいられなくなって、私は
「先生!生理がなので休ませてもらいます!!」
それだけ行って教室を飛び出した
「渡良瀬は生理って……って!ちょっ!おい!!渡良瀬!?」


「風邪なんかひいたのも久しぶりだし……確かにこれは辛いな……」
関節がぎしぎしと痛い
「せっかく笑って○いともを見ようと思ったけど、それどころじゃないな」
テレビをつける程の余裕もなく、ただ思考することしか出来ない
「あ〜〜、準のやつ今頃心配してるだろうなぁ……なんだって大事な時に」
準の気持ちにどう応えればいいか、ただ考える
このまま受け容れることは、準の為にもいいのかどうか?
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 18:42:07 ID:wCU07zhe0
「あいつだって女の子を好きになる時だってあるんじゃないか?」
だとすれば、いまその気持ちに応えていいのか
思考の袋小路に迷い込んで、力尽きる
結局答を見つけられないまま
ピンポーン
呼び鈴が鳴る
一度は無視を決め込んだものの、なかなか諦めてくれない
「あぁくそ!!」
床を匍匐前進しながら遅々たるスピードで玄関に向かう
「はぁはぁ……長い道のりだったぜ」
額を流れ落ちる嫌な汗を拭って、鍵を開ける
「どこの誰からはしらんが、今日は帰ってくれるとありがたい……って準!?」
訪問者の顔を確認して、頭が混乱する
「お前学校は……どうしたんだ?」
「雄真が風邪で休んでるって聞いて、私も休んできた」
「休んでって……なにで休んできたんだ?」
「生理」
「おい!?……っつ頭痛が……」
「ごめん、ごめんね……雄真、私がうつしちゃったんだよね」
「べつにお前の所為じゃない。昨日の夜中に外で素振りしてたのが間違いだったな」
「ばか……」
俺のついた会心の嘘も直に見破られる
「ショック……」
「なに言ってるの。それよりもほら、動ける?」
「微妙……」
準の細い肩を借りて、俺は部屋まで戻る

「あ……?おかゆとかもう用意してあるのね」
「あぁ。かーさんが出かける前に作っていってくれたんだ」
「着替えは?」
「さっきしたばっかりだから……」

はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:06:35 ID:wCU07zhe0
会話が止まる
「私、あんまり来た意味ないわね」
少し寂しそうに呟く
きっと俺を看病するために慌てて来てくれたんだろう
隣に座っている準の頭にポンッと手を置く
「そんなことはないさ。病気の時は誰であろうと傍にいてほしいものだって言ったろ?」
「そうね……」
「俺はお前が来てくれて嬉しいぜ?」
「優しいね雄真は……私のほうが励まされてるなんて……これじゃあ逆の立場だよ」
それからしばらく会話を続ける
俺はさっきまで考えていた事を聞いてみる
「なぁ……お前はさ、たとえば異性を好きになったりしないのか?」
「………?」
「春姫や柊とか美人だし、そうゆうことはないのか?俺がお前の気持ちを受け容れる
 ってことは、お前も――――!」
唐突に人差し指で口をふさがれる
「私にとって……雄真はずっと異性だよ」
「…………はぁ……お前の気持ちはわかったよ。おい、準ちょっと耳貸せ」
起き上がれない俺は、ちょいちょいと準を呼ぶ
「ん……なに?なんでも言ってね。そのために来たんだから」
「じゃあ、なんでも言うぞ。………いいか準」
「うん」
耳元でそっと―
昨日まで考えていたことなどすっかり忘れて、ただ素直に―
「……俺もお前が好きだ……」
「え?え?……ね、ねぇ雄真……」
「……俺もお前が好きだ……」
はっきりと言う
いつも準は俺に対して好きといってくれるが俺はまだその台詞を
一度も準に言ってないことに気付いたから
何度でも―
伝わるまで―
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:14:40 ID:wCU07zhe0
「……俺もお前が好きだ……」
ぴくっと身体が震える
「……どうしよう……なにも言えないよぉ……雄真ぁ……」
ずっと聞きたかった言葉
言って欲しかった言葉を言われて
涙をこぼす
「まったくお前は泣いてばっかだな………」
「だって……だって……雄真ぁ……」
まるで幼い子供の様に私は雄真の胸で泣きじゃくる
通じた思い
絶対に叶うことはないのだと、ずっと胸に隠した思いを全て吐き出すように
私は泣き続けた

『明日』第一部おわり
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:17:32 ID:wCU07zhe0


・このままHシーンを見る (注)801板の住人の力が必要です

・スキップする  ←


第二部未完
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:34:43 ID:wCU07zhe0


・このままHシーンを見る (注)801板の住人の力が必要です

・スキップする 

・一緒に寝る  ←

新しい選択肢が追加されました
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:50:01 ID:wCU07zhe0
「ねぇ……雄真、少しは眠ったほうがいいよ」
「うん?……そうだな……わかったそうする。お前はそろそろ学校に
 戻ったほうがいいんじゃないか?」
「いいの……もう休んじゃったし……ね、ねぇ雄真、私も一緒に寝ていい?
 なんだか泣き疲れちゃったから」
「あぁ、いいけど。布団は自分で出してくれるか?俺はあんま動けそうにないし」
「雄真と、同じベッドじゃだめ?」
「っぶっ!?いや、あのな準、いくらなんでも――」
「だ・め?」
じっと雄真の目を見つめる
「く、そんなチワワのような目で見つめられると………わかったよ!ほら、入れ!!」
雄真がベッドの上を少し空けてくれる
「ありがとう☆ちゅっ」
「でも、あれだからな、ほんとに寝るから話相手にはなれんぞ」
「私も少し休みたいから大丈夫よ」
「しかし、こんなとこかーさんやすももに見られたら……想像しただけで地獄だな」
「いいじゃない、結婚するんだし」
「早っ!?ま、まぁそれはそれとして目覚ましを掛けて置こう」
「そんなのいいのに」
「俺が駄目なの!ほら、もう寝るぞ。ベッド狭いんだからもっとこっちにこい」
そう言って、雄真が私を抱きしめてくれる
「おやすみ……準……」
雄真に温かく包まれて私は安らかに眠りに付いた
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 19:52:07 ID:wCU07zhe0


・目覚ましが鳴る

・何故か目覚ましがならない  ←


なぜかギャルゲー状態にw
ちょっと食事してきますね
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 21:10:37 ID:wCU07zhe0
「姫ちゃん達も、わざわざ兄さんのためにありがとうございます」
「ううん、いいの。小日向くんにはいつもお世話になってるし」
「今日はバイトもなかったらねー」
カチャリ
「ただいま〜、兄さん春姫さん達がお見舞いに来てくれましたよ」
「お邪魔します」
「雄真〜寝てるの〜?」
ガチャ
「兄さん気分はどうです………か………」
「どうしたのすももちゃ………」
「ん?」
そこには二人幸せそうに、ひ・と・つ・のベッドで抱き合って寝ている
「兄さん………」
「と………準さん?」
「血相抱えて飛び出していったと思えばこーゆうことだったのね」
「な!な!な!なにしてるんるんですか!?兄さん!?」
ゆさゆさと揺さぶる
「ん…………すもも?むにゃ……ああ学校が終わったのか?
 ?ああそれに、春姫に柊も……見舞いに来てくれたのか……」
「に、に、兄さんそんな普通に挨拶してる場合じゃないです!!」
「なにさっきから慌ててるんだすもも?」
「あのー小日向くん」
春姫がツンツンと指差す
どうも先程から身体が重い
重い?……重い……?
「ふにゃ〜…雄真ぁ〜…好きぃ…………」
カッと脳が一瞬で覚醒する
「しまっ……って目覚まし!?」
その秒針ははかなくも役目を忘れ停止していた
「ぬかったあぁぁぁぁァァァァァァァァ!!!!」
「えへへ〜………今日は一緒にお風呂に入ろうね〜」
「お前もいつまでも寝言言ってないでさっさと目を覚ませ!!!」
はぴねす『準・明日』2006/04/13(木) 21:16:36 ID:wCU07zhe0
「イタタ……あれもう体調はいいの雄真?じゃあ目覚めのちゅう〜」
ん――と顔を近づけてくる
どうもまだ寝ぼけているらしい
「ま・わ・り・を・よ・く・み・ろ!!」
「へ?」
そこには三者三様ひきっつった笑みを浮かべる三人

こうして俺の過酷な取調べが続くことになった

おわり

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