「サイス、エレンを返してもらうために舞い戻ってきたぜ。感謝しな」
「ふん、失敗作に用は無いのだが」
「俺の強さは知ってるハズだ。強がりはよせ」
「ツヴァイ、キミは勘違いしているようだ」
「なんだと?」
「考えてもみたまえ。私を殺せばキミの過去は永遠に闇に葬られる事になる。
それでも構わないと言うのかね?」
「もう過去などいらない。エレンがいてくれればそれでいい」
「はははっ。これはこれは。ファントムが性的な要求に支配されるとはな」
「性的……だと?」
「所詮恋愛など脳内の電気的変化にすぎん。
ある程度の性的興奮のパルスを恋愛と呼んで尊んでいるだけだ」
「貴様に何が判ると言うんだっ! 俺はエレンを守りたい!」
「そのために己自身が命を落とすとしてもか?」
「この身が砕け散ろうと、エレンだけは守り抜く!」
「そこまで言うのなら仕方あるまい。愛する者の手にかかって死ぬがいい。
アイン、ゴミを掃除しろ」
「判りました。マスター」