──
病院のベッドの上。大きなお腹のふたりの姉妹が横たわっていた。
プリマヴェールこと若草純菜の同級生、ちなつと、その姉、沙耶香だ。
ふたりが、突然、眉根を寄せて苦しみだす──
──分娩室。
「あぁ────っ!!」
悲鳴が、響いた。
ふたりの膣から、緑色の頭が、にゅるりとせり出して来たのだ。
はっ、はっと絶息寸前のような少女の吐息と、
ぴちゃっ、という何かが床に着地する音。
そして、ばぁん!と勢いよく扉が開かれる音がした。
きらびやかな衣装の少女ふたりが、分娩室に、乱入して来たのだ。
* * * *
──夜の公園。
一人の少女が、スライム男に絡み付かれ、持ち上げられて、犯されていた。
復活なったスライム男。
大きさは、以前より二回りは上だ。
それに犯されているのは、これも純菜の同級生、篠原茜。
裸身をスライムの汚液で濡らしながら、
腰を振ってスライムの男根触手を迎え入れている。
人通りもある公園だ。
異様な凌辱の光景の周囲には、もう人だかりができている。
そして、そこに駆けつける、ふたりの少女の足音が今、聞こえてきた。
「だめよ、茜!」
悪と戦い、人々の平和を守る、流聖天使プリマヴェール。
プリマヴェール・月(ツクヨ)こと、若草純菜、高校二年生。
プリマヴェール・太陽(コロナ)こと、皐月乃つばさ、純菜の後輩、中学二年生。
ふたりの戦士は、ちなつ達の出産現場でスライム男の仔を倒し、
たった今、公園に駆けつけたのだ。
「茜! ソイツから離れてぇっ! 妊娠させられちゃうわ!」
「う、純菜……。純菜……? う、ぐぅ」
戦闘員に邪魔され、純菜は犯されている親友になかなか近づけない。
「駄目だよ、気持ち良くて止まんないよ……っ! あう、あ、あ」
もたらされる悲惨な結果を知っていてなお、
茜は腰を振るのを止めることができない。
ぶびゅぶっっっっっっ
ぶぼっっっっっっ……
「ふ、は、あ、うああああぁぁぁぁ──────っっ!!!」
「茜──────っっ!!」
ようやく戦闘員の群れを蹴散らし、純菜はスライム男めがけて跳んだ。
「茜ぇっ!!」
純菜の、光り輝くオーラをまとった体当たりを避け、
スライム男は茜を宙に放り捨てて飛びのいた。
全裸の親友を両腕でキャッチする純菜。
「……茜……。どうして、こんなことに……!」
「……じゅ、純な……」
まだ牝の熱い息を吐きながら茜は、純菜を見つめ返した。
「純菜が、プリマヴェール……?」
「……いままで隠しててゴメン……! 守れなくって、ゴメン! 茜っ!」
「あたし、あたしぃ、ちなつの仕返しをしようと……でも、馬鹿、だね……。
捕まって、一生分、犯されちゃったよ……妊娠も、させられちゃったみたいだよ…」
「あぁ……」
純菜の震えが、怒りの武者震いに変わるのに長い時間は必要なかった。
「マルク・ジェネ……絶対、絶対に許さない……っ!」
と、シュルシュルシュル、と純菜と茜に何かが巻き付いた。
スライム男の触手だ。復讐の念に燃えるスライム男が、この隙を逃すはずもない。
「つばさちゃん、お願い!」
「ハイです!」
阿吽の呼吸で、つばさが触手めがけ跳んだ。ジャンプキックを叩き込む。
流聖天使のオーラをまとった攻撃に、触手はふたりからもぎ離されると、
毒でもくらったかのように痙攣を起こした。
純菜は茜を優しく地面に横たえると、マントを脱いで裸身をくるんでやる。
「…いま、かたきを取ってくる。茜」
純菜の怒りの大きさが、全身を覆うオーラの強さでわかる。
闇夜にピンクの光の飛沫が、吹き零れるように咲いていた。
「プリマヴェール……フクシュウノトキハ、キタ! プリマヴェール!!」
スライム男の口調と形相が、一気に、より怪物的なもの変貌する。
多数の触手がスライム男本体から飛び出し、プリマヴェールのふたりを襲う。
不意打ちのダメージがあった最初の戦いとは、数が比べ物にならなかった。
夜空を百本近い緑色の線が覆い尽くし、
まるでスライム色の傘を被せられたかのようだ。
しかし、触手の軌道をまるで事前に知っていたかのように、
純菜はわずか二、三歩動いただけでそれをすべて避けきってみせた。
「信じられん……」
眼前に見るプリマヴェールの人知を超えた戦闘レベルに、
呆れたような笑みを浮かべた男が、彼らのすぐそばにいた。
漆黒のマントに黒鎧、黒ずくめの姿を群集と戦闘員たちの中に紛れ込ませている、
悪の秘密結社マルク・ジェネの幹部、プリンス・ガーランドだ。
プリマヴェールを捕らえる陣頭指揮を取るため、
スライム男と戦闘員部隊を率い、直々に乗り込んで来たのだ。
一本だけプリマヴェールを捕らえることに成功した触手、
つばさの右手首に絡み付いた触手を、無言で引き千切る純菜。
「…あなたには、」
引き千切られた破片は、純菜の手の中で煙となって蒸発した。
「死、以外の何物もふさわしくないわ」
純菜が、必殺の構えを取った。
「つばさちゃん、…いくよ」
「ハイです!」
「天空より降り注ぐ聖なる光よ」
「我ら天の使いにその力をお貸しください!」
ふたりの周囲に、神聖さを湛(たた)えた光が、大気中から集まり始める。
「まずいぞ、スライム男……」
プリンスが言う。
「………シューティング!」
直視している者には、眩しさでふたりが見えなくなるほどの光の集中。
プリマヴェール、必殺の技だ。
「………スターライト!」
いま、集まった光のすべてが獣人に叩き付けられる。
「……フラ」
「きゃああんんっ!!」
突然、悲鳴が響いた。
「どうしたのっ、つばさちゃん」
振り向いた純菜も、つばさに続いて悲鳴をあげた。
「ああっ!! うあっ…!」
しゅうしゅうと、純菜の身体、そしてつばさの身体から、白煙が立っていた。
せっかく集まっていた聖なる光が、宙に霧散して消え去ってしまう。
ふたりは、いきなり真後ろから、触手の攻撃を…あの汚液を受けたのだ。
そして……
「ああ……い、イヤ……」
つばさが自分の後ろを押さえてうずくまる。
だが、隠しようもなく、両手の間からつばさのまるだしの尻の割れ目が覗けていた。
純菜も、コスチュームの胸部分から、
小振りな自分の左の乳房が零れ出ているのを見て、呆然とした。
「あ……やぁっ」
慌てて両腕で隠してしゃがみ込む。
「フ、フ……イイカッコウダ、プリマヴェール」
「スライム男は改良された。お前らを美しく覆い、また、強力に防護している
流聖天使のコスチューム……。普通の衣服とは全く違うソレを溶かしたうえに、
身体に傷は付けない粘液を開発するのには、骨を折ったぞ」
プリマヴェールふたりの背後、側溝から、本体と同じ大きさの、
スライム男の別のボディが這い出してきた。
半身を、今までそこに潜ませ続けていたのだ。
「スライム男のボディの大きさは、前回の三倍になった。
無論、その分、攻撃力も、耐久力もな」
「ね、ねーさま……」
ふたりは、肌を晒して初めて、この騒ぎで集まった、周囲を囲む群集の目を意識した。
「ハッハッハッ、大事な所が丸見えだな、プリマヴェール。いかに強かろうとも、
一皮剥けば、中身はうぶな小娘だ。捕らえろ! スライム男」
触手が飛ぶ。
「キャッ!! ああ…ん」
お尻を押さえながら、必死にジャンプして逃げるつばさ。純菜も跳ぶ。
着地したものの、コスチュームから覗いた肌は隠しきれない。
右に、左に、捕らえようとする触手を避けなければならず、
次第に、露出した尻と乳房を隠す余裕もなくなってしまう。
どんっと、純菜が群集の一人にぶつかった。
「うわっ!」「ご、ごめんなさい!」
その男のスーツの胸に、裸の乳房と乳首を押し付けていることに気付き、
純菜は頬が熱くなるのを感じた。
「戦闘員ども、お前らも手伝え!」
奇声をあげて、ふたたび戦闘員たちもプリマヴェールに飛び掛かる。
ふだんなら、集団であろうがどうということもない相手だが、
露出した肌をかばいながら戦うのでは、悪戦苦闘を余儀なくされてしまう。
触手も、間断なく襲って来ているのだ。
「もう……いやぁぁ……!」
お尻を抑えながら、左右に連続キックして戦闘員を蹴散らすつばさ。
しかし、足を振り上げるとお尻の下の、あの部分まで覗けてしまいそうだ。
さらに触手は汚液をも吹きまくる。躱(かわ)し切れなくなったつばさは、
肩、右足、そして胸の部分まで溶かされてしまった。
「きゃんっっ!」
白煙があがり、純菜よりずっと小ぶりな乳房が、ふたつまとめてあらわにされた。
「もう…ダメ…………」
ついに恥ずかしさに耐えられなくなったつばさは、
身体を隠してその場にしゃがみ込んでしまう。
触手は、そんな少女を容赦なく捕らえて空中に引きずり上げた。
「つばさちゃーんっ!!」
スライム男は、つばさの手足を広げさせて空中に磔(はりつけ)のようにする。
「スライム男。先の戦いの雪辱だ。犯せ」
「ギッギッギッ……ハい……」
「や──────っっ!! いやあぁ──っ! ねーさま助けてえっ!」
「駄目よ! 絶対ダメ! やめなさい!!」
必死につばさの元に駆け寄ろうとする純菜に戦闘員が殺到する。
さらに触手も。つばさの四肢を拘束してなお大量に余りある触手が、純菜を襲った。
「クッ! じゃ、邪魔しないで!! ──つばさちゃぁんっ!!」
スライム男が、つばさに語りかける。
「オマエにはコノマエ殺さレかけた恨みガある……。
一切の快楽も容赦もナく、そノまま地獄の苦シミを与えて破瓜してヤルゾ…」
太い、太い男根触手が、プリマヴェール、つばさの足の間からにょっきりと現れた。
そのあまりの太さに、見ただけで一瞬、つばさの呼吸が止まった。
「ひ………」
ぶびゅびゅびゅびゅ……と、鈴口から大量の汚液を潤滑用に吐き出しながら、
極太男根がつばさの小さなつぼみに迫る。
他の触手がつばさのショーツをちぎって道を空けてやると、
躊躇もなくいきなり、男根はごりごりごりとつばさの性器に押し付けられた。
「きゃああああ────────っっっっっ!!!!!!」
つばさの性器とスライム男の性器。
信じられないほど大きさのギャップがあるが、触手は形状も変幻自在だ。
先端をすぼめ、溢れんばかりの潤滑液を出すと、ドリルのように
つばさの膣内に割り入ってゆく。
つばさの性器の縁(ふち)の色が、赤みを通り越して白くなるほど押し広げられる。
吹き零れる大量の潤滑液の中には、赤い色が混じりはじめた。
つばさの、大切な大切なバージンの証しが、散り去って行っているのだ……。
「あ────っ!! あ────っ!!!
痛いよお──っっ!! い、た、いよぉぉぉ────っ!!!」
つばさは涙を流しながら絶叫し、
小さな身体を振り乱してその激痛を表現している。
触手に拘束されながらそれだけ動くのだから、
つばさの膣にどれだけの痛みが走っているのかが、想像できる。
しかし、全身でただ一ヶ所、腰だけは、
何重もの触手で固定され、身じろぎも許されない。
そして着々と侵入、凌辱が進んでゆくのだ。
「ね──さま──っ!! 助けて! 助けて!!!」
「つばさちゃぁ────んっっ!!!!! どいて、どいてぇぇぇっ!!」
目の前で犯されている……。つばさが……、可愛い後輩が。
親友を助けに来て、その彼女を助けることもできず、
それどころかプリマヴェールが、同じ怪人に犯されてしまったのだ。
処女を、散らされてしまったのだ。
その光景を純菜は目の前で見せつけられているのに、見せ付けられているのに、
戦闘員と触手に邪魔されて、手を伸ばしてもつばさには、届かない。
「つばさ、ちゃあ────ぁんっっ!!」
「ね───さまぁ────っっ!!!」
純菜も泣いていた。
だが、戦闘員と触手はまだまだ湧いて来て、純菜に絶望的な焦りを呼ぶ。
めりめりとつばさに侵入した触手は、ついにすっかりつばさの処女地を埋め尽くした。
完全に、一組の雄雌(おすめす)、つがいとして合体したのだ。
つばさは、全身を襲う寒気と、股間の激しい熱に、
虚空を見つめながらぶるぶると震えていた。
「ウゴカス…ゾ」
だらだらと汚液を垂れ流しながら、
ごっしゅ、ごっしゅと恐ろしい音を立てながら抽送が開始された。
「……! ……!」
目を剥きながらも、もはや言葉も無いつばさ。
(たす け て ……)
もうすぐ、その意識は消し飛ばされてしまうかもしれない。
男根触手はびるびるびる、と不気味な音を立てて時折汁を吹き飛ばす。
つばさの白い股間、小さな性器に、男根は抽送を送り込み続ける。
人間ではないものとの初めての性行為を受け入れているつばさに、
純菜は必死に近付き、少女を取り戻そうとしていた。
「たぁぁっっ!!! …ま、まだ来るのぉっ!?」
蹴りを、手刀を繰り出す度に、目の端から涙も零れ落ちる。
ようやく半分に数を減らしたものの、戦闘員はまだ襲い掛かって来る。
触手と同時の攻撃のため、なかなか撃退しきれないのだ。
もし触手に捕まってしまったら、純菜の命運も尽きるだろう。
戦いによる傷は増え、また、汚液を避けきれず、肩や脇腹、腰などの
各所も部分的にコスチュームが溶かされてしまっている。
左乳房は相変わらず露出されたままで、しかも更なる汚液の飛沫を浴びて、
右の乳房の丘の裾野までちらちらと覗けてしまう状態になってしまった。
しかし女子高生らしい羞恥心で身をかばうこともできず、
肌を晒したまま純菜は戦い続けねばならないのだ。
(必殺技…! もう、それしかないわ!)
触手の攻撃の隙を狙って、なんとか必殺の技を繰り出そうと考える純菜。
戦闘員を巻き添えにすることも意に介さない十本以上の触手の連撃を
宙返りで躱(かわ)すと、ついに構えを取った。
(今だ!)
「くらいなさい! プリマヴェール、ムーンライト・フラ──ッシュ!!」
蒼い閃光が闇を裂き、純菜に迫っていた戦闘員、触手を直撃し、
スライム男の本体へと伸びて行った。
(……決まった……!)
まばゆい閃光が群集の目を焼き、熱を放つ。
衝撃音。
大量の煙があがった。
「やったの!?」
しかし──、
スライム男は、まだ、そこに健在だった。
大きなアーチ状に変形して股下に必殺技を通し、避けてみせたのだ。
後ろにあった立ち木は直撃を食らって炎上していたが、
スライム男本体に触れた閃光はほんのわずかで、耐久力を三倍増させたという
スライム男には、さほどのダメージもなかった。
「わたし一人の力じゃ…、駄目…なの…?」
唇を噛む純菜に、とびきり太い触手が振り下ろされた。
「!!」
どどおぉぉん!と地響きを立てて叩き付けられる。
公園の地面に地割れが生じるほどの一撃。
「……!」
地面を転がって間一髪で避ける純菜。
しかし、その腕が突然背中に捻じりあげられる。
「誰!?」
黒いマント、黒い鎧。
プリンス・ガーランドが、純菜を捕らえたのだ。
「スライム男よっ!」
一瞬にして幾条もの触手が宙をまうと、逃げようもない純菜に襲いかかる。
「がふっ!」
鳩尾を殴られ、首に、腕に、足に、触手が巻きついてゆく……。
「放して! 放しなさい!」
ダメージでじんじんと痺れる身体をなんとか動かして暴れる純菜。
しかし、抵抗も空しく、四肢を触手に×の字に広げられながら、吊り上げられて行く。
「ゲヘヘヘヘ……トラエタ、トラエタ。オマエ、スコシ、ウルサイ」
ばりゅっ、ばりゅっと大量の汚液が浴びせ掛けられた。
頭から汚液をかけられた純菜は、一瞬息もできなくなり、
思わず少量の汚液を飲み込んでしまった。
「んんっ!」
たちまち身体が熱くなる。
「ひああ……っっ」
風邪をひいた時のように身体に熱を感じ、ぶるぶると震えが来る。
さらに、純菜のコスチュームにも汚液が浴びせ掛けられる。
じゅうじゅうと白煙があがり、コスチュームが溶け消えていく。
肌をさらに露出させて、純菜の身動きを止めてしまおうということだろう。
いまや両乳房が群集の前にもあらわになった。小さなおへそも丸見えだ。
スカート、下着も、いやらしく横を残して前、後ろを徹底的に溶かし去り、
とうとう純菜のお尻と女性器が、公園の夜風にさらされた。
「いやぁぁぁっっ!! 見ないで、お願いぃっ!」
その格好で、つばさの真横にまったく同じポーズで張り付けられてしまう純菜。
助けようとしたつばさの真横に同じく空中で張り付けにされ、
純菜は、最高の屈辱感を感じていた。
「どんどん液を浴びせ掛けろ、スライム男。もう抵抗なんぞ考えられんようにな」
言われるまでもなく、純菜の処女の肉体をおのれの汚液まみれにするスライム男。
美しかったピンクのコスチュームが、あっという間に
スライム男の体液の色に汚されてゆく。
「ヤぁぁぁっ!」
糞尿を掛けられるような凄まじい汚辱感を感じるとともに、
汚液を掛けられれば掛けられるほど、さっきの熱が身体を燃やし、
その分自分のパワーが失われてゆくような気がする。
「がぼっ! ケホッ!」
顔にも何度も連続して汚液を浴びせられ、窒息してしまいそうだ。
においも、とても生臭い。
数分もそれを続けられ、息をするのがやっとの状態になってしまう。
もはや純菜も、戦闘への意志の力は失われてしまったようだった。
だらん、と脱力しながら空中に×の字に張り付けられている、
ふたりのプリマヴェール。
つばさの方は、もう半失神状態のようだ。
虚ろな目で抽送を受け入れ続けている。
そう、剛棒の抽送は、いまだ続いているのだ。
純菜は、身体を駆け巡る熱と戦いながら、震えている。
目を閉じ、汁塗れの顔を真っ赤にして、何かに懸命に耐えている。
それは、快感なのか、屈辱なのか。怒りか、絶望か。
「ソレデハ、ソロソロ、トドメヲ クレテヤル」
「待て、スライム男。そう焦る必要もあるまい。
…もはや、助けが入る可能性は無いのだ。ゆっくりと、
最後のプリマヴェールの処女を鑑賞させてもらおうではないか」
ゲヒヒ、とスライム男は下品な声で笑った。そのアイディアを気に入ったようだ。
「な、何するの……? やめて……!」
スライム男はふたりの足を大きく広げさせ、プリンスのもとに運んだ。
目の前に来たふたりの股間に、プリンスは目を寄せた。
匂いすら感じるほどの至近距離だ。
「ほう……薄いな。毛を通して縦すじがはっきり見えるぞ」
「いやぁ! 言わないで! そんなこと……」
純菜のそこに続いて、剛棒を咥え込んだままのつばさのそこに、
見比べるように目を向ける。
「こっちのプリマヴェールはまだ生えてもいないのか……。
まるっきりの子供のあそこだな」
「やっっ! やめ……て……!!」
純菜が、見比べられる屈辱と、可哀想なつばさに向けて、掠れた声をあげる。
「スライム男、ふたりの腰を持ち上げろ。集まっている方々にも見ていただこう」
ぱっくりと両足を広げられ、群集に見えやすいように
腰を地面と水平に持ち上げられた純菜。
つばさも、純菜のすぐ横にまったく同じかっこうで晒されている。
触手に絡め取られ、身動きも取れないまま、
ふたりの股間は群集の好奇の視線の前を横に滑ってゆく。
「いッ、いやッいやッ……やあぁあ……」
もじもじと尻を揺するものの、それが唯一、精一杯の抵抗だ。
処女の縦筋をよりいやらしく見せる効果しかない。
親友の復讐を果たすつもりが、無様に同じように捕まってしまい、
こんな惨めな性的見せものにされているという屈辱。
純菜の涙は、止まらない。
「し、死んじゃいたい……」
プリンスとスライム男の笑声が響いた。
「ハハハハハ……! こんな風に哀れな姿にしてしまえば、
さすがのプリマヴェールも、ただの小娘と変わらんな。
いや、公園で肌を晒し、性器まで人に見せびらかしているのだ。
露出狂の変態女と変わらん姿、と言うべきか…」
「う、うぅっ……!!」
逃れようと泣きながら一生懸命力むものの、
拘束する触手の数は、どんどん増えている。脱出はもはや容易ではない。
「ソろそろ、貫通式とイクぞ」
「ふふ……。いよいよ、最後のプリマヴェールもスライムとまぐわうのか」
「嘘……」
ぐこお………と、大きな触手が純菜の足の間から起き上がってきた。男根触手だ。
──アレを、刺し貫かれる。
「イヤ! イヤ!! いやあぁあぁぁぁぁ!!!」
(私もまだバージンなのに! 茜ちゃんやつばさちゃんの
仇を討とうとしたのにぃぃ!)
逆に、彼女らと同じ物を受け入れることになってしまったのだ。
男根触手がぴたりと淫裂に触れる。
「ひゃっ!!」
交合の潤滑油代わりに、汚液を分泌してそこをぬるぬるにする。
(もう駄目だ・犯されちゃう・嫌嫌嫌・悔しい・犯される前に死んじゃおうか)
ぐらぐらと思考が揺れる。目の前の光景も揺れる。
群集の目線が、自分に集まっている。自分が犯されるのが見られるんだ。
群集──。
純菜の目が、群集の中のひとりを捉えた。
茜だ。
さっき犯されたばかりの茜が、
マントで裸身を覆い隠そうと努力しながら、純菜を見つめている。
その目に、激しい絶望とショック、悲しみが浮かんでいた。
(助けるどころか、茜と同じ奴に犯されちゃうなんて。こんなのって)
「く、悔しいぃっ……!」
そして、鋭い鉈を叩き付けられるような破壊の衝撃が股間に生じると、
純菜のそこも、スライム男の男根触手に刺し貫かれていた……。
「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────────っっっっっ!!!!!」
今まで生きてきた中で最大の痛みだった。
本気で、死ぬ、殺されると思うほどの激痛。
鼻の穴ほどの直径に開いたこともなかった場所を、
一気に子供の腕ほどの広さに押し広げられるのだ。
大量の潤滑液に混じって、一条の鮮血がふとももを流れ落ちた。
純菜の記念すべきロストバージンだ。
人間ではない、原生動物スライムに捧げられた──。
明滅し、消え失せそうな純菜の視界に、時折、
涙を流しながら見つめる茜が映る。
あの、街で買い物した日を思い出す。
同級生の初Hの噂にみんなで花を咲かせた、あの日。
あの同級生は、たぶん、幸せなロストバージンを経験したのだろう。
しかし、あの日あの場にいた五人は、五人全員、
こんな惨めなロストバージンを迎えることになってしまった。
押し広げられ、突き込まれ、
ようやく純菜の処女地はスライム男にすべてを明け渡した。
足がつってしまうほど股間に力が入る。痙攣すら起こりそうだ。
純菜の性器の縁の色が、赤を通り越して白くなるほど押し広げられている。
つばさの時と、まったく同じ状態だった。
「ウゴカスゾ……オマエノ ホウモナ」
「ゃめ……」
ぐこ、ぐこ、と肉同士が擦れ合う恐ろしい音まで立て、巨根が律動を開始した。
「……ひ……ひ」
痛みに目をむく純菜。思考能力も麻痺しつつある。
(犯さないで……いや……犯さないで……いやぁ)
「スライム男、まずは受精させて完全に抵抗できなくしてしまえ」
「ハ……」
股間の突き込みのサイクルが速くなったのを、感じる。
「フフフ……プリマヴェール……。お前らには、
普通の人間の女には使わない、特別な精子を味合わせてやろう」
「……?!」
痛みの中、朦朧としつつある意識を懸命に繋ぎ止めながら、
純菜はプリンスの声を聞く。
「お前たちに注ぎ込む特別製精子は、一ヶ月で人間の女に出産させていた
従来のスライム男の精子とは、まったく違う。
…わずか二時間程度で女体に臨月を迎えさせ、出産させるのだ!
その代わり、胎内(なか)で成長する胎児は、従来の胎児とは
比べ物にならないほど母体のパワーを吸収し、食い尽くして成長する……。
通常の人間の母体では、出産前に死んでしまうだろう。
プリマヴェール、お前らほどのパワーの持ち主でも、
我々の手の中で出産しなければ、確実に出産と同時に死を迎えることになるのだ…」
「……し…、死ぬって、こと、ですか」
「俺にはまだお前を利用する計画がある。われわれに任せれば、死ぬことはない」
だが、純菜はそんな言葉を聞いていなかった。
死、という明確な言葉が、純菜をパニックに陥らせていたのだ。
「やああぁぁぁァっっっっ!!!」
幼児のように号泣しながら首を、身体を振る。
股間の痛みも忘れたかのように、全身を動かして暴れ出す。
「!」
純菜の身体に、もう一度オーラが纏われるのを見て、プリンスは声をあげた。
「スライム男、急げ! 早く孕ませてしまえ!」
「ハ!」
じゅっ、じゅうっ、じゅっ! 音を立てて、抽送のスピードが増してゆく。
「いやっ! イヤぁっ!!!!」
純菜の右腕を縛る触手がぶすぶすと煙をあげ、ついに、力ずくでもぎ離された。
自由になった右腕を振り上げると、純菜は自分の左腕を縛る触手も手刀一刀で断つ。
窮鼠猫を噛むとはこの事か、命の危機を感じた純菜の戦闘力は凄まじかった。
「急げ! 急ぐのだスライム男!」
「ハ、ハハッ!」
じゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅ……!!!
スライム男の男根の動きがさらに小刻みになる。
「いやぁ、いやだよおおおっっ!!」
泣きながら、自由になった両手で自分の股間から生えるスライム男の性器、
小刻みに律動するそれを掴み、必死に引き抜こうとする純菜。
どぷっっ…………!!!
射精が、行われた。
つばさに先に、だ。
「あああーっ! つばさちゃんっ!」
もはや意識を失ってぐったりと触手に身を任せていたつばさに、
容赦なく怪物の遺伝情報物質が注ぎ込まれる。
小さな身体が、どくどくと注ぎ込まれる悪魔の液体を受け入れる。
瞼を閉じ、顔色は青さを通り越して白くなってしまっているつばさ。
いま、自分が何をされているのか、知っているのだろうか……。
「…わあああぁぁっっ!!!」
「グオアアアッッ!!」
最後の力を振り絞って純菜がおのれに突き刺さった男根を引き千切ったのと、
その性器が純菜の膣内に射精したのとは、同時だった──。
* * * *
純菜は、姿を消した。
後に残されたのは、スライム男、プリンス、つばさ。
そして、何人かの生き残りの戦闘員と、
あまりの凄惨なレイプの連続に言葉もない、公園の群集たちだった。
純菜は、自分を犯していた男根触手を引き千切ると、
股間に埋まったままの男根の切れ端から連続した射精を受けながら、
足を縛る触手をも目茶苦茶な動きで千切って、走り去ったのだ。
「……ふぅむ、まさか、あれほどの力をまだ振るうことができたとはな……油断した」
プリンスが一人ごちる。
「念の為、待機させていた戦闘員に亜時空発生装置を作動させろ。
マルク・ジェネの超科学により、一定時間この公園は異空間に包まれる。
歩いても歩いても、この公園の中の同じ場所をぐるぐる回るはめになる。
この公園に入ろうとする者もな。電波も通さんから助けも呼べん。
プリマヴェールも、あれだけ犯されてはこの空間から逃れるほどの力は
もはや発揮できまい……。奴が出産する前に、連れ戻すのだ」
二時間近くが経過した。
何人もの戦闘員が、広い広い公園の闇の中を捜索している。
その目的人物──プリマヴェール・月(ツクヨ)こと
若草純菜は、一人、木立の中、草むらに身を潜めていた。
「ああ……」
頬を、涙が伝う。
純菜は、悔いていた。
友達の仇を取ってあげねばならなかったのに、
また別の親友を、茜を、今度も目の前で犯されてしまった。
そして、つばさをも、守れなかった。
一緒に戦いに臨んだつばさを、親友たちと同じ目に合わせてしまった。
つばさもバージンだったのに……。
遂には、自分も──。
最後は、死ぬかもしれないと言われてパニックになり、
親友もつばさも残して逃げ出してしまった。
……。
「どうしよう……」
純菜はしゃくりあげた。
大きく大きくなってしまった、お腹を撫でながら……。
はだけられたコスチュームから胸とお腹は剥き出しで、
風船のように脹らんだお腹が、裸で夜気に晒されている。
見たことがある。本物の、妊婦さんの臨月のお腹だった。
「どうすればいいの……?」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、自分のそんなになってしまったお腹を見つめる純菜。
ごろり、とお腹の中で誰かが小さな身体を動かした。純菜の赤ちゃんだ。
スライム男に種付けされたにしろ、半分は純菜の遺伝子を受け継ぎ、
純菜の子宮の中で成長を続けている、正真正銘の純菜の子なのだ。
戦いの現場に駆けつけた時、今日このままお母さんになるだなんて、
純菜はまったく思いもしていなかった。
父親は、倒すべき悪の組織マルク・ジェネのバイオケミカル獣人、スライム男。
「もうヤダ……」
人生でこんなに後悔したことも、屈辱を感じたこともなかった。
自分を責めさいなんだことも、なかった。
(人々を守らなきゃいけない正義の戦士プリマヴェールが、
獣人に妊娠させられちゃって、どうするのよ……)
戦う力ももう湧いてこない。プリンスの言う通り、お腹の中の子は
純菜の体力もオーラも急激に吸い取り、純菜は今や、立ち上がることも困難な状態だ。
レイプされた股間の痛みもまだ止まない。
全身に力が入らない。唇も肌もパサパサと乾燥して来た。
『死』を実際に身近に感じる。
いっそ死んでしまおうかとも思ったが、恐くてそれもできなかった。
激しい戦いの中に身を置きながら、思えば今まで
自分が死ぬなど真剣に考えたこともなかったのを、純菜は自覚した。
公園からは歩いても歩いても出られなかった。もっとも、病院に行ったって、
ちなつ達同様、堕胎してもらうことはできないだろう。
その前に胎児が母体を破壊する。お腹の中の子は、獣人の仔なのだ。
(このまま、死ぬの?)
恐怖と同時に、それはダメ、と心の中の声が叫ぶ。
つばさたちをあの場に置いて来てしまった後悔。
今自分が死んだら、誰も、誰一人、助けられない。純菜は、悲しい決意をした。
「ほう……」
プリンスは、驚きの声をあげた。公園の暗がりから、自ら姿を現した純菜に、だ。
「ふっ、万策尽きて、ようやく出て来たか。それにしても……」
プリンスが可笑しそうに口元を歪ませた。
「なんとまあ、見事なお腹になったものだなあ。
あの美しき天使、プリマヴェールのお腹が、こんなに……」
プリンスが、ハッハッハッ、と大声をあげて笑った。
スライム男も大きく不気味な笑い声をあげる。
戦闘員たちまで、指を差して笑っている。
隠しようもない犯された痕跡を笑い者にされて、
純菜は、恥ずかしさで消えたくなった。
「……!」
そして、視線をあげて純菜は絶句する。
つばさの……ちいさな身体にも、異変は現れていた。
ぷっくりと、臨月の脹らみ。
もしかしたら、つばさちゃんは妊娠させられていないかも。
純菜がわずかに抱いていた一縷の望みも、ついえた。
「ねーさま……ねーさまも……」
意識を取り戻していたつばさも、純菜に声をかけた。悲しい声を。
「で、どうした? プリマヴェール」
「わ、わたしはまだ、死ぬわけにはいかないわ。
ここで死んだら、あなたたちの野望を止める者がいなくなるもの」
「では、今ここは、我々の手に落ちて
スライム男の仔を産む事に、異存はないのだな?」
「……ええ」
「では、はっきり言葉に出して誓ってもらおうか。拒否すれば、野垂れ死ぬだけだぞ」
「…………。獣人の子供を、スライム男の子供を、……産ませてください」
大人しく身を明け渡すと、ふたたび純菜の身体は触手によって
空中に吊り上げられ、×の字に固定された。
つばさの隣にだ。
また、乳房も性器も群集の前に露出した事になる。
純菜たちがレイプされてから約二時間、群集たちは戦闘員に囲まれ、
まだ解散すること許されずそこにいた。
携帯等は取り上げられている。反抗的な者も、戦闘員に袋叩きにされ、
またスライム男が地面をひび割れさせるほどの一撃で恫喝すると、
押し黙るしかなかったのだ。疲れきった顔また顔。泣いている者もいる。
茜も、戦闘員一人に付かれ、純菜のマントの下で震えていた。
彼らは、触手の祭壇上で今夜の生け贄の儀式が終わるまで、
その目撃者としてここに留まらねばならないのだ。
「この胎児にすべてのパワーを吸い取られてしまわない唯一の方法は、
スライム男の精液を飲み続けることだ」
「……なんですって……?」
「スライム男の精液は、それ自体強力な即効性回復剤だ。あっという間に傷を、体力を
回復させ、エナジーを注ぎ込む。お前の体力を絞り取られないよう、
代わりにスライム男の体液で胎児の栄養をまかなうのだ」
純菜の表情が苦悩に歪む。
「どうする? 屈辱か、死かだ」
「……飲むわ」
「言葉使いがなっていないな」
「……っ! の、飲ませてください。精液、飲みたいです……」
「だそうだ、スライム男」
ゲッゲッゲッ、と笑うと、スライム男は純菜の股間に触手を入り込ませた。
「ちょっと! 何!?」
「どこから飲ませるかは言っていなかったなあ……。どこでも良いのだ。
口でも、膣でも、肛門でも。一番効くのがそこだ」
「そんな! いやあぁっ!!」
純菜への、二度目のレイプが始まった。
今度は、もうあんな乱暴なことはしない。
傷ついた膣内に触手がするりと潜り込んで来て純菜の肝を冷やしたが、
それは初体験時より遥かに細いもので、じゅんっ、じゅんっと
膣内で体液が放散されると、癒されるような温かさをそこに感じて純菜は驚いた。
「なにっ!? なにこれっ!」
「ねーさま……。だいじょうぶです……。すぐ、痛くなくなります……」
純菜が目を向けると、つばさが、純菜を見ていた。
目に涙を浮かべ、何かを諦めたような悲しい笑顔をして。
「つばさちゃん……? あっ」
何本もの触手が、くなくなと純菜のそこをさすり始めた。愛撫を始めたのだ。
「すぐ、気持ち良くなります。すぐです……。
わたしも、触手に触られて、感じちゃいました……。
触手に、……触手なんかに身体中をいじられて、感じちゃったの…。
イッちゃったの、おしっこまで漏らしちゃったの………!」
ぐすっ、ぐすっとつばさが泣き出した。
純菜が戻ってくるまでの二時間、つばさは触手にどれだけの凌辱を受けたのだろう。
見れば、身体中に細い触手が数十本も巻き付き、つばさの身体を愛撫し続けている。
つばさの幼い肢体を、縄師が掛けた縄のように芸術的にくくり、
乳首などは先まで何重にも巻き付かれ、触手の小さな塔のようになっている。
股間に挿入された触手はどくん、どくんと脈打ち、
大量の精液を小さな子宮に送り込み続けているのがよくわかる。
「あっ……はぁんん…」
つばさは、顔を真っ赤にして、涙を流しながら喘いでいる。
よく知った女の子が、そんな聞いたこともない淫らな声を出すのに
純菜はショックを受けた。
「そっちのプリマヴェールは、その年で女の肉体の悦びを
スライムに教えられたぞ……。今度は、お前の番だ」
「あうっ、あふっ!」
言われなくとも、純菜にはわかっていた。
自分にも、つばさと同じ運命が、待ち構えていると……。
純菜の割れ目に汚液が垂らされ、やがていっぱいにその汁で満たされた。
乳房をも汁が覆い尽くし、白く形の良い肉塊をスライム色に染める。
まさに女の子の命、とでも言うように丁寧にブローされていた、純菜の
自慢のきれいな長い髪にも、頭頂部から遠慮なく汚液が垂らされる。
そうして媚液に濡らされた全身を、触手が熱く擦り立てるのだ。
ぎゅうっ、ぎゅうっと痛みをおぼえる寸前まで両乳房を引き絞り、乳首を弾く。
背筋を触れるか触れないかぎりぎりの距離感で触手が駆け上る。
触手が舌を形作り、両耳を同時になぶる。
脇の下にも、刷毛(ハケ)のような形の触手が、優しく汚液を塗りたくる。
薄い陰毛を一本一本痛くならない程度に引っ張って刺激を与えているのは、
何十本もの微細な触手たちだ。
クリトリスは、二本の触手が交互にさすって、その主を激しく震えさせている。
そして、膣を往復する男根触手……。
しゅごっ、しゅごっ、と純菜の快楽の肉孔をしごく。
太さも純菜のサイズに見合ったものに調節され、滑らかに動く。
膣自体も、処女だった頃のそれとはもう永遠に違うものになってしまっているのだ。
オナニーも知らなかった若草純菜。
初めての性体験が、今、ここで行われているスライム姦だ。
もう喘ぎ声が出ていた。もう、感じていた。
「ぐんっっ! うぁはっ! あ、あ、あ、い、嫌ひあぁっ! あっはぁっ」
スライムとの性体験を処女の肉体に刻み込まれ、
一生忘れられなくされてしまった、ちなつ姉妹。
おそらく、純菜ももうそうなるのだろう。なって、しまうのだろう…。
「イッカイメ ダ」
スライム男が射精した。
ぶぼわっ!
「あああぁぁっっっん!」
スライム男の射精は、それだけで女体に衝撃を与える。
ぶるぶるぶるっ、と純菜の身体が震えた。
どくん、どくん、どくんと精液は男根の鈴口から放出され、
純菜の膣を通って子宮に送り込まれる。胎児に吸収されるために……。
もはや、単なるスライム繁殖の苗床とされてしまった
プリマヴェールの美しい肢体。
愛撫と凌辱は続き、二回、三回と射精は続く。
「ああぅっっ!! はぁぁぁぁんんん!!」
汁塗れにされた顔を振り乱して、熱い吐息を履く純菜。
(こんなのに犯されて感じてる…あっ、ヤっ……)
尻を引っ張り上げられると、肛門を何本もの触手に押し広げられる。
開かれた肛門の内側が外気に触れ、冷やりとした感触を覚える。
「プリマヴェール、ケツノ アナモ、レイプスルゾ」
はっきりと男根の形をした触手が、純菜の肛門を目指す。
「ああっ……やめてえ!! 変なことしないでええっっ!!」
人間サイズより小ぶりなそれは、きゅっ、きゅっと器用に動きながら
純菜の肛門を満たしてゆく。
「ひぃぃっ」
もはや、スライム男のどの責めも甘んじて受けるしかない。
素顔は普通の高二の女の子でしかない純菜が、肛門での射精も経験する。
「あぁあぁぁぁ──────っっ!!」
真っ赤な顔で涙を落としながら、またも身を反らせて絶頂をあらわにする純菜。
「ほう…。正義の戦士プリマヴェールは、お尻の反応もいいな……。
スライム男、小さい方にもやってみろ」
スライム男がつばさの尻をも狙うと、つばさは、素直に尻を向けた。
ずにゅにゅ……
「はうっ!」
無理のない太さと、媚液たっぷりの抽送。つばさは、自分から腰を振り始める。
「いい……っ」
どぷ、どぷ、と射精を受けて、つばさも身を反らせ、発作のように痙攣を起こす。
ふたりとも、頭からプールにでも漬かったかのように、
もう全身汚液でびしょぬれだ。髪の毛もぺったりと張りついている。
戦いの場に躍り込んで来た時の華麗な姿は、もはや面影すらなくなっていた。
「この恥辱の様子は、しっかり記録させてもらうぞ。お前らが今後
復活しようがどうしようが、今宵のこの恥は永遠に残るようにな……」
え……、と純菜が霞む目をあげると、ビデオカメラのライトがふたりを照らしていた。
「やめ……!」
泣きながら懇願しようとして、純菜は絶句した。
ビデオカメラを構えていたのは、両脇から戦闘員に押さえつけられた、茜だったのだ。
茜も、裸の身体を震わせ、泣きそうな顔をしている。
戦闘員に押さえつけられて、無理矢理、自分を助けに来てくれた純菜とつばさが
弄られる恥辱の光景を、記録させられているのだ。
「あ……あ………」
純菜は身体をよじってカメラレンズから逃れようとする。もちろん無駄だった。
「フフフ……裸の親友三人の凌辱撮影会だ。楽しいだろう? プリマヴェール…」
どんなに身体に力を入れようとしても、茜の構えるカメラからは逃れられない。
そもそも、もう身体に力も入らなかった。
(力、入んない………だって……気持ち良すぎる……)
クリトリス、乳首等、敏感な場所は際限なく優しく擦られ続けている。
その上、媚液が塗られた場所はもうどこもかしこも感じてしまうのだから、
プリマヴェールにとってはすでに全身性感帯、全身性器と言って良い状態だ。
スライムに犯される汚辱感を嫌悪してなお、激しい快感を認めざるを得ないのだ。
「気持ちい──っ! ねーさま、気持ちィ──よお──っ!!」
つばさが絶叫する。
「お前も認めるか? 認めろ! スライムに犯される快楽をな!!」
「………気持ち……いいです……っ。本当に…気持ちいい………」
じゅぼじゅぼと下品な音を立てて自分の中を往復する巨根に、
もはや純菜も自分のすべてを委ねてしまった。
(……はうっ……ど、どうせ逃れる方法がひとつもないなら、
思う存分、撮ればいいんだわ………!)
「撮って、もっと撮って………!」
「純、菜……」
純菜の狂乱の様子に、茜すら、絶句した。
「純菜の、は、恥ずかしいところ撮ってぇぇっっ!!!」
ぶぼっ、とまたも派手な射精が起こり、
純菜の意識は、もう何度目かもわからない白い熱の中に溶けた──。
凌辱はなおも続いた。
快楽に負け、ついに堕ちたことを認めてしまったプリマヴェールのふたりは、
手の拘束を解かれても、すでに抵抗する気力もなかった。
太い触手にふたり一緒にまたがり、触手の背から生えた男根触手を
自ら飲み込んでふたりで腰を動かした。
口の前に男根の形の触手が伸びて来たりもする。
奉仕しろという命令に、生まれて初めてのフェラチオ体験をし、
舐め、咥えて男根を大きくするふたりのプリマヴェール。
充分に大きくなると、それは、そのままふたりの身体に沿って下降して
膣に収まり、犯し始めるのだ。
時には、その前に一発プリマヴェールの口内に発射したりもする。
挙げ句の果てに、つばさが咥え込んだ男根触手から、もう一本の男根触手が生え、
プリンスがふたりにそれで繋がれと命令さえした。ふたりは、実行した。
つばさに後ろから犯されるような感覚。そのまま膣内で射精も受ける。
腰を動かすつばさに、純菜もいつしか腰を振って応えていた。
もちろん、その全てが、茜の持つビデオに記録された。
行為の度、凌辱の度に、純菜はふたつの世界を実感していた。
自分達やスライムの今いる、人間がスライムなどと獣姦行為をして
快楽を感じる、堕ちた世界。
それを見守るプリンスや群集たちのいる、そうでない世界。
こんなに間近にいるのに、もうそちらの世界には帰れないことを純菜は感じていた。
この快感を教えられてしまったら、それがいかに低級で惨めな世界だとしても、
もう、戻れない。
悩みながらも飼い犬とのセックスがやめられない獣姦する女性のような気持ちが、
ちょうど今の純菜の気持ちと同じなのかもしれない。
焼き切れそうな快感に、何度も叫びをあげさせられながら、
純菜は、深い深い孤独感を感じていた。
「──さあ、そろそろ頃合いだろう……」
出産の時が、迫っていた。
スライムになぶられ尽くしたふたりは、はぁはぁと絶息しそうな息を吐いている。
何度イカされたかももうわからない。胎児も充分に成長したようだ。
ご丁寧に、群集の前、カメラレンズの前にふたりの股間を広げ、
よく見えるようにするスライム男。
「ぐっ……ああ、うううー!」
苦しみの声が純菜の唇から漏れる。
唇の端からは、口内発射を受けた時のスライム男の精液が垂れている。
「いきめ! プリマヴェール!」
「はあぁぁっ!! ううんっっ!」
公園に飛び込んできた時、こんな自分の姿を、純菜は想像しただろうか。
まさか、この場でこの後出産を経験することになるなんて……。
群集たちも、二時間以上も異常な凌辱に立ち会わされ、
すっかり魂を抜かれた様子だったが、このクライマックスには
皆立ち上がってあぜんとしている。
「うううう……っ! うううううう────っっ!!」
(恥ずかしい……みんな純菜のあそこ見てるよう…………。ビデオにも、
撮られてるよう………。スライムの、スライムの仔を産むの見られちゃうっ)
純菜の産道から、緑の色が覗いた。
おお、と群集からどよめきが漏れる。
緑の色がどんどん面積を増してゆくと、少女のそことは思えない
広がりを見せ、何かが、純菜からせり出して来る。
病院でちなつ姉妹が出産してから三時間後。
プリマヴェール、スライムの出産。
「…………!! …………!!」
いきむ度に、純菜の子が純菜の股間から這い出してくる。
破瓜の時以上の信じられない苦しみと痛みに、純菜は思考能力すら切れそうだ。
(正義のヒロインが、……いったい……、何を、してるんだろう……)
たった一つ考えられたのは、それだけだった──。
そして、ついに、最大の難所を越え、
ずるうり、と、緑色した純菜とスライム男の愛児が、純菜の股間から這い出してくる。
ついに、この世に生まれ落ちて来たのだ。
つばさも、少し遅れて、それに続く……。
ずず…ずずず……
びちゃっ、と音を立てて、スライムの仔が地面に落ちる。
もう目も口もある。父親そっくりだった。
立派にお産を終え、三時間前まで処女だった陰部にぽっかりと穴を空けながら、
プリマヴェールふたりは、カメラの前に身を晒し続けていた……。
* * * *
マルク・ジェネ、地下実験室。
ふたりの少女が、今、そこに暮らしている。
連日連夜、獣人と獣姦をして。
獣人の仔を妊娠し、産み落とし、また獣姦する、そんな惨めな毎日を繰り返して。
いつかは、逃れられる日が来るかもしれない。
もう、自分でも本気で信じてはいないそんな日を悲しく夢見て、
今日も目の前の快楽に身を晒す。
「ウネウネって……ウネウネって気持ちいいのお…!」
「お尻こすって」
「もっと太いのでしてぇ」
「美味しい……獣人の精液美味しいよ……」
ふたりのかつての名は、悪と戦う正義のヒロイン『流聖天使プリマヴェール』、
月(ツクヨ)──若草純菜と、
太陽(コロナ)──皐月乃(さつきの)つばさ。
そして、今の名は……、
マルク・ジェネの繁殖奴隷、一号と二号。
今日も、義務である汚れた行いのため、
獣人の前に、ふたりで尻を並べて突き出すのだ──。
<終わり>